2021-06-18

吉村瞳 - cover freak out ! vol.one interview

吉村瞳cover freak out








吉村瞳















「カヴァー・アルバムを作ろうというアイディアは以前からあったんです。最初はライブで録音しようと考えていたのですが、実際、コロナ禍で休業中のバーで録音したんです。でも、それよりも部屋で録音したものがよかったので、そちらで統一しました。やはり、お客さんを前にしていつもうたっている場所で、だれもいないのは落ち着きませんでしたね」

3作目となるスタジオ録音アルバム『stories』発売から9ヶ月。ボリュームたっぷりの2枚組カバーアルバム『cover freak out ! vol.one』をリリースした吉村瞳。
「こんなに早く作るつもりはなかった」というものの相変わらずのワーカホリックぶり。彼女にとってのライブ活動がコロナウィルスの影響でレコーディング作業へと移行してしまったよう。
しかし、今作はすべてが宅録、しかも一発録り。
通常のライブ・レコーディングとは極端な変化はない。
吉村瞳

Q:ものすごく早いペースですね。
吉村瞳 そうですか? わたしは自分のペースをそれほど意識しているわけではないのですが……『cover freak out ! vol.one』に収録しているものは、ほとんどライブでは頻繁に演奏していた曲だったので無理矢理という感じはありませんでした。
緊急事態宣言下で、ライブもできないしスタジオで何人かのミュージシャンの方々にお手伝いしてもらうこともできず、なのでおうち時間で録音しちゃえ(笑)って考えてやったらうまくいって……新鮮だったのかもしれません。

Q:宅録なのに一発録りならライブ・レコーディングとあまり変わらないですね。
吉村瞳 そうですよね。ただリラックス感はまったく違います。お客さんがいるのといないのとでは、“歌”そのものがまったく違うし。なので最初はリモート・ライブが苦手だったんです。でも、毎週月曜日にインスタグラムでライブをしているので部屋で演奏することに慣れてきたのだと思います。

Q:ジャニス・ジョプリンの「ムーブ・オーバー」は吉村瞳ライブのハイライトの1曲ですね。
吉村瞳 そうかもしれません(笑)。「ムーブ・オーバー」か「ライク・ア・ローリングストーン」を一時期ラストナンバーにしていましたね。どちらもアコースティック・タイプのラップ・スティール・ギターで演奏しているものです。

Q:選曲はどのようにしたのですか?
吉村瞳 基本的にこれまでライブで演奏してきた曲を収録しました。24、5曲を録音して、ならべてみて、14曲に絞ったんです。

Q:この曲をカバーしてみようという基準はあるのでしょうか?
吉村瞳 まずは聞いてみて「いいなぁ〜」と思うのが最初ですね。
なんとなくですけど。それから、あまり多くの人がカバーしていないものを選びますね。「Lean on Me」のように、第三者から教えてもらった曲もあります。わたしに似合いそうなものというのは、自分では「え、それ?」ということもありますから。それからコピーしてみて、徐々に自分流に変えていきます。

Q:自分流に変えていく……たしかに吉村瞳風になりますよね。
吉村瞳 それはオープン・チューニングの影響だと思います。「ライク・ア・ローリングストーン」などは最初はアコースティック・ギターで演奏していました。たぶん1度だけ、ライブで演奏しました。で、原曲のようなグルーヴ感が出せなかったのでラップ・スティール・ギターに変えたんです。
どのオープン・チューニングにするのかは直感です。オープンCチューニングが合うんじゃないか、とか。もちろんレギュラーで、原曲と変わらないままにカバーすることもあります。

Q:メドレーで演奏することもありますよね。曲と曲とをつないで。それも直感だったりするのですか?
吉村瞳 そうですね。「ロックンロール>ミッドナイト・ライダー>ロックンロール」は完全に直感でしたね。2019年の九州ツアーで「ロックンロール」だけで演奏していたんですけど、「ミッドナイト・ライダー」のリクエストがあって、そこからなんとなくこの2曲つながるんじゃないかなぁと思っていて、最後の神戸でのライブでぶっつけでやってみたら、わたし的にはハマってしまいました(笑)。

 

Q:曲と曲とをつなげる意味というものはありますか?
吉村瞳 特別ないと思います。ただおもしろいかなと。いきなり曲が変わったりして……わたし自身が楽しいので、お客さんもそうかな? と思っているだけです。それとただ演奏しているだけじゃなくて、考えることが楽しいんです。

Q:タイトルに『vol.one』とありますが、twoとか、threeとかもあるんでしょうか?
吉村瞳 あると思います。カバー・アルバムはまた作りますけど、オリジナル・アルバムに重点をおいた活動をしたいですね。そちらのほうも曲があって、今までにないアプローチができると思うので、それらを消化して突き進みたいと考えています。


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