2019-10-23

吉村瞳 / ライク・ア・ローリングストーン

フランク・ザッパがはじめてボブ・ディランの「ライク・ア・ローリングストーン」を聞いたのは、マンハッタンでタクシーに乗ったときだったらしい。まだ彼がデビュー前のこと。乗車してすぐにラジオからそれが流れ、フランク・ザッパはその歌に驚嘆し跳び上がり、天井に頭をブツけた。
そんな話をなにかの記事で読んだ。見ていたわけではないので、ウソか本当かは知らない。でも、わたしはこのエピソードがとても好きで、チャーミング? なフランク・ザッパらしいと思っていて、同時に「ライク・ア・ローリングストーン」がどうれだけすばらしいかを物語っている。
先日、吉村瞳がカヴァーする「ライク・ア・ローリングストーン」をはじめて聞いた。
はっきりいって、驚いた! 
否、正直にいうと、わたしの背中に電気が走り、脳天を打ち抜いた。
すばらしい!
本当にすばらしい!!
この6分間にもおよぶコトバの洪水のなかを、彼女はラップスティールギターだけでよく泳ぎ切った。ものスゴイ集中力。後半、少しコトバがもたついたけど、スピード感とグルーヴだけは損なわれず、「ライク・ア・ローリングストーン」らしい「ライク・ア・ローリングストーン」だった。そう、デイヴ・マシューズ・バンドの「見張り塔からずっと」をはじめて聞いたときのような気分。ステファン・レッサードとカーター・ビューフォードがカミナリのようなリズムを叩き出し、それをボイド・ティンズレーのヴァイオリンとデイヴの雄叫びが粉々に切り裂く。吉村瞳はそれをたったひとりでやってのけた。
わたしはこの女性ミュージシャンが少し恐ろしい。

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