高田渡が彼と知り合い、一緒にバンドを組もうと企んだ気持ちがシバを聴くたびにより深く理解できるような気分になってくる。高田渡と1970年にわずかな時間だけ一緒に過ごした「武蔵野タンポポ団」はシバが描こうとした漫画のタイトルだった。シバは自身のなかでのオリジナリティを見いだそうとし、そうしていくうちによりブルーズと親密になっていく。高田渡はそのことに気づいていたようにも思う。
シバ-耳の話 |
『耳の話』はシバのアーカイブシリーズ第2弾。自宅の居間でのセッションの模様を吹き込んだだけの素朴な作品。そのときの彼の息吹を残すためにサウンドの加工はされていない。生々しくもリラックスしたシバの演奏が聴ける。ブルーズ特有のタイトロープを渡るようなスリリングな印象はココにはないけど……これもまた、シバ。音楽が完成へと辿る、そんな過程が刻まれている。そう、何かが起こりそうな予感がこのアルバムにはある。
01.謎の電車
02.耳の話
03.ルート20ブルーズ
04.寂しい谷間
05.帰還
06.夕暮れ
recorded:05-23-1991
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