1部 金森幸介、2部 大塚まさじ という構成で行われたライヴ。2部 後半からは金森幸介再登場。ふたりで「天王寺思い出通り」「サーカスにはピエロが」を演奏。互いに旧知の仲ではあるが、ライヴとなると話は異なる。また、近年はセッションを行うことが数少ないふたりでもある。とはいうものの大塚まさじは長田TACO和承や藤縄てつや、金森幸介は松田ari幸一、いとうたかお、中川イサト等のツアーも記憶に新しい。にもかかわらずこのふたりに演奏がしっくりとしなかったのは、金森幸介はもともと複数人数での演奏体験者であり、大塚まさじははじめからソロ・シンガーであったためだ。もちろん大塚まさじはディランⅡとしてそのキャリアをスタートさせてはいるが、彼はつねに「リード・シンガー」であった。そのため、このふたりにはもっと「時間」が必要であったのだ。
またこのふたりは同じ大阪を拠点とし、ほぼ同じ時代からうたいはじめていたにもかかわらず対称的なシーンからそのキャリアをスタートさせている。大塚まさじはアンダーグラウンド・シーンから、金森幸介はラジオ放送などのオーバーグラウンドから。
つまりは、「フォーク」vs「ポップス」だったわけだ。
今でこそ、一括した音楽のように語られるふたりだが、実際は水と油のような世界にいた。そんなふたりが一夜だけの企画もののライヴでそんなに早く交わるはずはない……が、ビデオを見返すとそれなりに見れるものとなっているのもフシギな気がする。その場で聴くのと、なにか別の媒体(CDや映像)を介して聴くのとでは、いつもいうように、かなり異なる。
大塚まさじ website
金森幸介 website
大塚まさじ/月夜のカルテット |
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